自社はどの金融機関と付き合うべきか?(政府系金融機関編)

 中小企業が融資を受ける金融機関は民間と政府系に大きく2つに分類できます。
 今回は政府系金融機関についてお話します。

 ①日本政策金融公庫
  日本政策金融公庫は内部で国民生活事業と中小企業事業に分かれます。一般的な金融機関と異なり預金業務
 はありません。また信用保証協会付き融資の取り扱いがなく、プロパー融資のみとなります。
  ※農林水産事業は一次産業がメインのため割愛しています。

 【国民生活事業】
   小口融資や創業融資を得意としており、1先あたりの平均融資残高は980万円であり、融資先の約9割が従業
  者9人以下の小規模事業者となります。一般的な目安として創業から年商5億円までの企業が中心です。相対的
  に金利は高めとなります。
 【中小企業事業】
   比較的大口の融資が多く、1企業あたりの平均融資残高は10,600万円であり、融資先の約8割が従業員数20
  人以上(平均従業員数79人)となります。一般的な目安として年商5億円あたりからの企業が中心です。製造
  業が融資残高の38%を占め、設備に対して最長20年といった超長期の融資も積極的です。各種認定制度や補
  助金と関連する商品もあり、組み合わせによっては超低利となることもあり、相対的に金利は低めとなりま
  す。

 ②商工組合中央金庫
  政府と民間が共同で出資する政府系金融機関です。一般的な設備資金や運転資金の他に運送事業者向けの制
 度融資などがあります。
  日本政策金融公庫と異なり、信用保証協会付き融資も取り扱います。相対的に審査が厳しいと言われてお
 り、企業規模も一般的な目安として年商5億円あたりからの企業が中心です。               

 その他、日本政策投資銀行なども中小企業融資を行っておりますが、あまり馴染みがないと思われますので、
ここでは割愛します。

 政府系金融機関は民間金融機関の補完という役割があります。民間金融機関を中心に資金を調達し、政府系金融機関はその補完で資金を調達していくという考え方で各金融機関と付き合っていくことをお勧めします。

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